腸内細菌が1型糖尿病の自己免疫過程に影響か
サイエンス出版部 発行書籍
典型的糖尿病自己抗体を持つようになる児童の腸内細菌の相互作用は、健康な児童のそれとは異なっている。児童の体内で血中の抗体が検出可能な水準まで発達するずっと前にこのような違いができているという事実は、微生物叢のDNA、いわゆるマイクロバイオームが宿主の自己免疫過程に関わっているのではないかという説を裏付けるものである。Helmholtz Zentrum Munchenの研究チームの論文が、専門家向け論文誌「Diabetes」2014年3月7日付オンライン版に掲載されている。 研究チームは「BABYDIET」研究の過程で、血中に糖尿病特有の自己抗体を持つようになる児童の腸内細菌の構成や相互作用のデータを、自己抗体陰性の児童のデータと比較した。「BABYDIET」研究では、糖尿病リスクに影響することが考えられる栄養要因を詳しく調べた。Institute of Diabetes ResearchのポスドクDr. Peter AchenbachとProfessor Anette-Gabriele ZieglerおよびHelmholtz Zentrum Munchen, Scientific Computing Research UnitのDr. David EndesfelderとDr. Wolfgang zu Castellとに率いられた研究チームは、研究の結果、腸内に存在する細菌の種類と数量に関してはどちらのグループもほぼ同じだと確認した。ところが、腸内細菌の相互作用全体を見た場合、乳幼児期、典型的糖尿病型自己免疫が現れる何か月も何年も前からこの2つのグループの間には大きな違いが見られた。細菌のコロニーはマイクロバイオームと呼ばれる相を形成し、そのマイクロバイオームが持つ遺伝情報が宿主に影響を与える。以前からマイクロバイオームと様々な疾患との関連が考えられていた。特に腸内
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