ヒトゲノムに潜む古代ウイルスのタンパク質構造を解明!自己免疫疾患治療への新展開

ヒトゲノムに潜む古代ウイルスのタンパク質構造を解明!自己免疫疾患治療への新展開

HERV表面エンベロープタンパク質の3D構造を解明 私たちのゲノムの8%が、古代のウイルスに由来することをご存知でしたか?このウイルスの痕跡は、私たちの進化の歴史が残したお土産であり、ウイルスが生命の始まりから常に共にあったことを思い起こさせます。しかし、このDNAの8%を占めるウイルスの断片は、通常「ダークマター」の一部として眠ったままです。この度、ラホヤ免疫研究所(LJI)の科学者たちが、この謎に満ちたウイルスタンパク質の正体に光を当てました。科学誌『Science Advances』に掲載された研究で、LJIの研究者たちは、これら古代の「ヒト内在性レトロウイルス(HERV: human endogenous retroviruses)」の一つが持つタンパク質の三次元構造を初めて明らかにしました。研究チームが解明したのは、最も活性の高いHERVの抗体の標的となる表面エンベロープ糖タンパク質(Env)であり、構造生物学における画期的な成果となります。 LJIの所長、CEO、教授であるエリカ・オールマン・サファイア博士(Erica Ollmann Saphire, PhD, MBA)は、「これは、ヒトHERVタンパク質の構造が解明された初めての例です。レトロウイルスのエンベロープ構造としては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV: human immunodeficiency virus)とサル免疫不全ウイルスに次いで、史上3番目の快挙です」と述べています。 この発見は、疾患の診断と治療における新たな戦略への扉を開くものです。進化の過程で、HERV-KのEnvタンパク質はHERV-Kレトロウイルスの表面を覆っていました。しかし現代人の体内では、特定のがん細胞の表面や、自己免疫疾患、神経変性疾患の患者においてこのタンパク質が出現するため、新しい診断法や治療法を開発する上

Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill

LinkedIn:Michael D. O'Neill

 

【サイエンス雑誌シリーズ】Amazonストアにて好評販売中!