自然免疫の新たな観点−RIG-1研究から
サイエンス出版部 発行書籍
泥棒が銀行の金庫に進入すると、センサーが作動してアラームが鳴る。細胞は、侵入者のために独自の早期警戒システムを有している。フランス・グルノーブルのヨーロッパ分子生物学研究室(EMBL)の科学者達は、特定のタンパク質がウィルスの侵入を検出した際にアラームを鳴らす方法を発見した。2011年10月14日付のCell誌に掲載された今回の研究は、自然免疫反応についての理解を深めるのに重要な役割を果たし、インフルエンザや狂犬病、肝炎など多様なウィルスに対する細胞の迅速な対応方法の解明に寄与するであろう。 細胞は浸潤する物質を探知するために、パターン認識受容体と呼ばれるタンパク質を利用する。このタンパク質は、感染菌だけが持つ分子パターンを認識し、結合するのである。この結合によって受容体の形状が変化し連鎖反応を引き起こし、最終的には周囲の細胞に浸潤の警告を行なう。今までは、このセンシングとシグナル伝達の二つのプロセスの結びつきが解明されていなかった。 EMBLの研究者達は、これらの受容体の一つであるRIG-Iが形状の変化をシグナルに変換する正確な構造メカニズムを発見した。「リガンド結合はどのようにしてシグナリングを誘発するのか?これは、構造生物学者にとって古典的な問題です。」と、今回の研究の主導者であるステファン・キューサック博士は語る。「我々は特にRIG-Iについての答えを探すのに興味がありました。なぜなら、RIG-Iはインフルエンザ、麻疹、C型肝炎といったほぼ全てのRNAウィルスをターゲットにするからです。」RIG-Iはウィルス感染への反応として、ウィルス遺伝物質であるウィルスRNAを認識し、抗ウィルス分子インターフェロンを生成するように細胞を刺激する。インターフェロンが分泌され、周囲の細胞に取り込まれ、感染と戦うための数百の遺伝子を活性化する。RIG-Iが細胞自身のRNAで
イメージング質量分析 受託サービス
イオン対試薬用ソルナックチューブ LC/MS用オンライン脱塩チューブ
microPAC ナノLC キャピラリーLC用カラム
ラット・マウスのモノクローナル抗体精製に最適な高性能プロテインA アガロースビーズ Ab-Capcher
ヒト・マウス・ラットのモノクローナル抗体精製に便利な磁気ビーズ Ab-Capcher Mag
医学系国際学会における英語ポスター発表をサポートします 。
同じカテゴリーの記事
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill