免疫システム活用:結核治療に革新をもたらすがん治療法
サイエンス出版部 発行書籍
新しいがん治療法が、世界で最も壊滅的な感染症の一つである結核に対しても極めて有効であることが明らかになりました。テキサス生物医学研究所(Texas Biomed)の科学者たちは、この治療法が、耐薬性のある細菌でさえも結核の増殖を劇的に減少させることを発見しました。 2023年10月19日に「バイオメディシン&ファーマコセラピー(Biomedicine & Pharmacotherapy)」誌に報告されたこの発見は、結核に感染したヒト細胞を特徴とする新しい細胞モデルにおいて行われました。これにより、潜在的な結核薬や治療法のスクリーニングを加速することが可能になります。 オープンアクセスの論文のタイトルは「MCL-1およびBCL-2阻害剤の組み合わせは結核に対するホスト指向療法として有望なアプローチである」というものです。この研究で評価された治療法は、二つの分子を組み合わせたもので、そのうちの一つはすでにFDAによってがん患者への使用が承認されており、もう一つはがんに対する臨床試験のフェーズ1/2で評価されています。これらの化合物は、がん細胞であれ、この場合は結核菌(M. tb)に感染した細胞であれ、標的とされた領域での正常な細胞死のプロセスを体が開始するのを助けます。 結核は、毎年世界中で160万人以上の死亡を引き起こしています。この細菌は主に肺に感染します。患者は、活動性感染をコントロールするために数ヶ月間抗生物質を服用する必要があります。耐薬性が増加しているため、治療はさらに困難になっています。 テキサス生物医学研究所のラリー・シュレジンガー博士(Larry Schlesinger, MD)の研究室は、空気感染性細菌とヒトとの間の基本的な生物学的相互作用を理解し、それらの洞察を用いて潜在的な治療ターゲットを特定することに焦点を当てています。 結核菌は
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