新しいタイプの免疫T細胞を発見

新しいタイプの免疫T細胞を発見

サイエンス出版部 発行書籍

メルボルンのサイエンティスト・チームが、免疫システムのなかに新しいタイプの細胞を発見した。新タイプの細胞(白血球の一種)は、感染症の予防において重要な役割を果たすT細胞ファミリーに属する。このグループの発見は、特定のタイプの感染性生物に対する免疫応答を強めることができた。それは最終的に新しい医薬品になる可能性がありうる。それと同時に、アレルギー、ガン、冠動脈疾患等を含む多くの重篤な疾患にとって重要な役割となる。   研究チームには、メルボルン大学のDr Adam Uldrich氏とDale Godfrey教授、モナッシュ大学(Monash University)のDr Onisha Patel氏とJamie Rossjohn教授、ピーター・マッカラムがん研究所(Peter MacCallum Cancer Institute)のMark Smyth教授らが参加している。 国際的な学術雑誌であるNature Immunology誌のオンライン版(2011年6月12日)で発表されたこの発見によって、免疫システムの各種の構成要素について基本的な理解が前進した。あらゆる種類の感染性生物を十分な範囲で網羅する方法についても基本的な理解が深まった。一般的に、身体に対して細菌性感染症やウイルス性感染症の恐れが生じた際には、T細胞受容体と呼ばれる分子が、バクテリアまたはウイルス由来のタンパク質断片(ペプチドと称する)と相互作用を生じ、これが免疫応答を誘発する。このプロセスについては既に広く研究されており、微生物の死滅と重篤な感染症の予防につながっている。免疫システムがウイルスやバクテリア由来のタンパク質に対象を絞っていることはわかっているが、免疫システムのなかの一部のT細胞(NKT細胞として知られる)が、脂質ベースの分子や脂肪分子の認識が可能である。そこで、こうした脂質感受性T細胞の

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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