がん“ワクチン”の転移性がん治療と予防に期待
サイエンス出版部 発行書籍
Virginia Commonwealth University (VCU) Massey Cancer Centerの科学者チームによれば、これまでと違った新しいアプローチの免疫療法が臨床前の研究室段階で、転移性がんワクチンのように作用する見通しがつかめた。最近行われたその研究によると、療法は転移性がんの治療に適していると同時に既存のがん治療と並行して用いることができ、新しく転移した腫瘍の進行を防ぎ、特定の免疫系細胞を「訓練」してがんの再発に備えさせることができる。 論文雑誌「Cancer Research」の2013年1月18日付オンライン版に掲載されたこの研究論文では、筆頭著者のXiang-Yang Wang, Ph.D.が、動物の皮膚がん、前立腺がん、大腸腫瘍の細胞モデルに対する科学的処理を経た分子の影響を詳述している。 この分子はFlagrp-170と呼ばれる物質で、グルコース制御性タンパク質170 (Grp170) 2個で成り立っている。このGrp170は、「分子シャペロン」と呼ばれる「危険信号」の役割を果たす物質で、バクテリアの鞭毛を構成しているフラジェリンというタンパク質から作られる。研究チームは自己複製ができないよう改変されたウイルス、またはアデノウイルスを用い、Flagrp-170を直接腫瘍部位に運ばせ、局部的に免疫反応を生じさせる。この全く新しい治療法では免疫が有効に作用し、動物モデルではかなり生存期間が延びた。Harrison Scholar 研究員、VCU Massey Cancer CenterのCancer Molecular Genetics 研究プログラム・メンバー、VCU School of Medicine のHuman and Molecular Genetics 准教授を務めるDr. Wangは、「抗がん性の免疫を強化する
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