シグナルの入れ違いでCD4T細胞が機能麻痺。がん免疫療法の改善なるか?
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University of California (UC) Davis の研究チームは、CD4T細胞起動の順序を違えて最初にインターロイキン-2のような炎症性サイトカインにさらされるとCD4T細胞が「機能麻痺」することを発見した。CD4T細胞は、病原体その他の侵入物に対する抵抗を調整する働きがあるだけに、この発見は免疫学の教科書を書き替えることになるかも知れない。このメカニズムは、免疫反応が暴走する前にこれを停止するファイアウォールとして機能することも考えられる。一方、臨床の見地に立てば、この発見はがん免疫療法の改善、自己免疫障害治療薬の発展、敗血症からの回復の迅速化などをもたらす可能性もある。 この研究の結果は、2015年8月18日付Immunity誌に掲載された。論文は、「Out-of-Sequence Signal 3 Paralyzes Primary CD4+ T-Cell-Dependent Immunity (順序を違えて3段階目のシグナルにさらされ、CD4陽性T細胞依存性の一次免疫応答が麻痺)」と題されている。 第一著者で、ポスドク研究員のDr. Gail Sckiselは、「T細胞を活性化するには3段階のシグナル・プロセスが必要で、いずれも適正な活性化に欠かせない。これまで誰もこの順序を違えた場合にどうなるかを試したことがなかったが、この3段階目のシグナルであるサイトカインを先に加えると、CD4T細胞を機能麻痺させてしまうことを突き止めた」と述べている。T細胞の活性化には、まずT細胞が抗原を認識し、適切な副刺激シグナルを受け取り、その後に炎症性サイトカインにさらされて初めて免疫反応が展開される。ところがこれまで、免疫療法でやっているように3番目のシグナルを先に送り込むと免疫系全体の機能を停止させてしまうことには誰も気づかなかった。Dr. Scki
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