腸内免疫バリアを破壊する細菌を特定―新治療法の開発に期待
サイエンス出版部 発行書籍
クリーブランドクリニックの研究者らは、腸内の免疫系を弱める新たな細菌「トマシエラ・イムノフィラ」を発見しました。この細菌は腸の多面的な免疫防御バリアの重要な要素を分解する役割を担っており、特定の炎症性疾患や感染症に寄与する可能性があります。この発見は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む多様な腸疾患に対する新たな治療法の開発に向けた第一歩となる重要な成果です。 この研究は2024年9月26日付で科学誌Scienceに掲載され、クリーブランドクリニックの炎症・免疫学部門の責任者であるサディアス・スタッペンベック博士(Thaddeus Stappenbeck MD, PhD)と研究員で論文の筆頭著者であるチューエ・ルー博士(Qiuhe Lu, PhD)によって主導されました。論文のタイトルは「A Host-Adapted Auxotrophic Gut Symbiont Induces Mucosal Immunodeficiency(宿主に適応した栄養要求性腸内共生菌が粘膜免疫不全を引き起こす)」です。 スタッペンベック博士は、「この研究は、腸内マイクロバイオームの特定の構成要素が人間の健康や疾患に果たす重要な役割を示しています」と述べています。「この特定の細菌を特定したことで、腸疾患に関する理解が深まっただけでなく、治療法の開発という新たな道を開きました。腸の適応免疫バリアが破壊される原因を特定したことは、炎症性腸疾患やクローン病、潰瘍性大腸炎といった疾患の治療法開発に向けた重要な一歩です」とコメントしています。 研究の詳細 腸内では、分泌型免疫グロブリンA(SIgA)が微生物と結合することで、それらが腸の組織に到達して損傷を与えるのを防いでいます。以前の研究で、腸内細菌がSIgAレベルを低下させることが明らかにされており、これが感染リスクの増
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