日本の研究者、アレルギー喘息とCOPDの炎症に関わるOn/Offスイッチ突き止める
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日本の研究チームが、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) とアレルギー喘息の激しい炎症を解明し、その治療法を発見する上でさらに一歩を進めたとの研究論文が、「The FASEB Journal」2013年8月号に掲載された。その論文では、「ロイコトリエン B4と呼ばれる炎症制御分子の2種類の受容体が、アレルギー喘息やCOPDの炎症のオン/オフ・スイッチで正反対の機能を果たしている」と述べている。 研究チームは、この受容体の一つは「BLT1」と呼ばれ、炎症を促進する働きがあり、もう一つの受容体は「BLT2」と呼ばれ、アレルギー反応時に炎症を弱める働きがあることを突き止めた。これまで、BLT2が炎症反応を憎悪させると思われていただけに、これは重要な発見である。研究チームを指導した鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学の井上博雅 (M.D.) 教授は、「喘息やCOPDの患者の気道中ではロイコトリエン B4量が増えており、一方、アレルギー炎症でBLT1とBLT2が正反対の機能を持っていることから、医薬開発においてはBLT1とBLT2をそれぞれ別個のターゲットにしなければならない。将来、さらに優れた抗喘息薬、抗COPD薬が開発され、何百万人という数の患者を激しい喘息やCOPDの発作から救えることを希望している」と述べている。 この発見のあった研究では、研究者はBLT2遺伝子欠損マウスと正常なマウスのアレルギー反応を比較し、その後でアレルゲンを吸入させ、アレルギー喘息反応を起こさせた。そうすると、BLT2遺伝子欠損マウスでは、正常なマウスに比べると炎症を起こしている肺細胞の数が多かった。BLT2遺伝子のないマウスの肺のアレルギー炎症は、正常なマウスの場合より強かったのである。また、BLT2遺伝子のないマウス・グループでは、T白血球からアレルギー炎症の細胞間情報伝達をするインター
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