血中エクソソームのマイクロRNAが精神疾患マーカーとなる可能性
サイエンス出版部 発行書籍
ブラジルのサンパウロ連邦大学(UNIFESP)の研究者たちは、精神医学遺伝学における重要な課題である精神疾患のマーカーの探索に、血液サンプルの利用が有効であることを示しました。彼らは、神経系細胞を含む体内のほとんどの細胞で作られる細胞外小胞(EV)中のマイクロRNAの分析によって、この問題を解決する可能性を明らかにしました。 この研究は、FAPESPの支援を受けて実施され、2023年2月6日にTranslational Psychiatry誌に掲載されました。論文のタイトルは、「青年期の大うつ病、注意欠陥・多動性障害、不安障害に関連する細胞外小胞のマイクロRNAの変化(Alterations in MicroRNA of Extracellular Vesicles Associated with Major Depression, Attention-Deficit/Hyperactivity and Anxiety Disorders in Adolescents)」です。 これにより、血液サンプルからのマイクロRNAの分析が、若年期の大うつ病、注意欠陥・多動性障害、不安障害といった精神疾患の関連性を調査する上で有望な手法となる可能性が示唆されました。これによって、神経細胞などの神経系細胞から得られる情報を利用して、疾患のメカニズムを理解し、新たな治療法や予防策の開発につなげることが期待されます。今後の研究によって、これらのマイクロRNAの変化と精神疾患の関係性がより明確になることを期待しています。 エクソソームと呼ばれる小型のEVは、脳を病原体や毒素から保護する重要な役割を果たすことができます。そして、マイクロRNA(miRNA)は、メッセンジャーRNAを標的とする小さな転写物であり、複数の遺伝子の発現を一度に調節する役割を担っています。これらのmiRNAは
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