移植幹細胞由来エクソソームは心臓発作からの回復を助ける。移植細胞からの循環エキソソーム解析(液体生検)は医師が回復の程度を把握することを可能にする。

心筋の強化や他の疾患を治療する幹細胞療法は、ヒト臨床試験で有望視され始めている。 しかし、臨床成果の観察以外に、標的臓器内の移植細胞の有効性を評価するうえで再現性の欠如や使用期限、非侵襲的なツールの欠如は、幹細胞分野の進歩を遅らせてきた。
メリーランド大学医学部(UMSOM)、ペンシルバニア大学、およびエモリー大学の研究者らは、移植された幹細胞の有効性を追跡するのに血液検査が使用できると理論づけた。 彼らは、移植幹細胞からレシピエントの血液に分泌される エクソソーム と呼ばれる微小な細胞成分を分析した。 研究者らは、2種類のヒト心臓幹細胞を移植し、循環するエクソソームをモニターした後、げっ歯類の心臓発作モデルまたは心筋梗塞モデルで自らの理論を検証した。
この研究者らは、循環するエクソソームが細胞成分を標的の心筋細胞に送達し、心臓の修復をもたらすことを発見した。 彼らの研究成果は、2019年5月22日にScience Translational Medicineにオンラインで発表された。 この論文は「移植された前駆細胞由来の循環エクソソームが虚血性心筋の機能回復を助ける(Circulating Exosomes Derived from Transplanted Progenitor Cells Aid the Functional Recovery of Ischemic Myocardium.)」と題されている。
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