プレシジョンメディシンの実現に専念する分子科学分野の先進企業、Caris Life Sciences® は、2017年2月21日付けで、同社のADAPT Biotargeting System™ で、血漿中のエキソソームの低侵襲性液相生検で乳がんを検出し、乳がんの有無を判別できることが実証されたと発表した。この研究論文は、「Plasma Exosome Profiling of Cancer Patients by a Next Generation Systems Biology Approach (次世代システムの生体的アプローチによるがん患者の血漿エキソソーム・プロファイル化)」と題するオープンアクセス論文として、2月20日付Nature’s Scientific Reportsに掲載された。
University of Tennessee Health Science Center, Division of Hematology/Oncologyの長を務めるDr. Lee Schwartzberg (この研究には関わっていない) は、「幅広い種類のバイオマーカーを対象とする低侵襲性血液検査法で乳がんを正確に検出できれば、乳がん診断と患者管理の面で大きな進歩をもたらすことと考えられる。この研究の成果は、将来的に、現在の乳房撮影法その他の画像技術による標準的な検査法の欠陥を解消する可能性が開けており、また、現行の標準診断法でははっきりした結果が出ないために患者がさらに侵襲的な組織生検を受けなければならなくなることも多い」と述べている。
ADAPT Biotargeting Systemは、個別または複合ターゲットに結合する1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド(ssODN) アプタマーを搭載した非常に複雑なライブラリーを用い、生体系全体にわたって生体サンプルのプロファイル化を行うことができる。
Scientific Reportsに掲載されたその研究では、約1011種のssODNを擁するペアレント・ライブラリーが、乳がん患者女性の血漿エキソソームまたは乳がん非発症女性の血漿エキソソームのどちらかに優先的に結合するアプタマーの情報で「学習」した。また、「学習」したライブラリーは、まったく別個の乳がん患者または非発症女性の血漿エキソソームのグループを使って検証した。さらにアプタマー媒介の親和性精製と質量分析で、低濃度のエキソソーム結合タンパク質や2つのグループに結合するタンパク複合物を判定した。健康な女性と乳がん陽性患者の500本のサンプルで盲検評価した結果、乳房組織の密度とは無関係に2つのグループを判別することができた。
この研究論文の共同著者で、ドイツのUniversity of Bonn, Life & Medical Sciences (LIMES)-Instituteの教授を務めるMichael Famulok, Ph.D.は、「エキソソームは、腫瘍が進行する際の細胞のプロセスの動的な変化をそのまま反映するため、基礎的な健康や疾患の状態に関する非常に豊かな情報源として認められるようになってきている。この研究は、バイアスのかかっていないアプタマーによる低侵襲性プロファイリング・プラットフォームを用いて、複雑な表現型の特性評価をサポートする概念実証を行っている点が重要だ。
臨床実用化にはまだ研究が必要だが、ADAPT Biotargeting Systemでがん診断が改善される可能性が見られたことで励みがついた」と述べている。この論文の共同著者で、Caris Life SciencesのPresidentとChief Scientific Officerを務めるDavid Spetzler, Ph.D., M.B.A.は、「この論文は、乳がん患者から採取した液相生検の分子指標のバイアスのかかっていないプロファイリングに基づいた画期的な診断法を説明するものだ。私たちが診断法の分野で行ったADAPTバイオターゲティング・プラットフォームの概念実証研究で、創薬標的開発、バイオマーカー同定、医薬などの応用分野でも、このプラットフォームが有効性を持つ可能性が証明された」と述べている。
この研究の他の著者には、Dr. John Quakenbush、Dr. George Posteが名を連ねている。
CARIS LIFE SCIENCES®
Caris Life Sciences® は、分子科学の分野で革新を続ける企業として、質と革新を通してプレシジョンメディシンの夢の実現に専念している。同社のADAPT Biotargeting System™ は、バイアスのかかっていない画期的なプロファイリング・プラットフォームで、治療法開発、体内薬剤輸送、高度な診断法、疾患モニターなど様々な分野に適用できる。また、現在、がんその他の複雑な疾患向けに開発中のADAPT Biotargeting Systemは、複雑な生体系の百万を超える分子の反応を自然の状態のままで同時に測定することができる。Caris社では、独自開発特許済みのCaris Molecular Intelligence® (CMI) による総合的がんプロファイリング・サービスも行っており、CMIは、11万件を超える臨床例の実績に基づき、現在の個別化がん医療に対して臨床的に最大限採用可能な治療法を提供している。
テキサス州Irvingに本社を置くCaris Life Sciencesは、アメリカ、ヨーロッパその他の国際市場に向けてサービスを提供している。
原著へのリンクは英語版をご覧ください
Aptamer-Based ADAPT Platform from Caris Life Sciences Detects Breast Cancer in Women via Liquid Biopsy of Circulating Exosomes



