心血管疾患と2型糖尿病の新たなバイオマーカーをリピドミクスが提供
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脂質代謝は心血管系疾患や2型糖尿病の発症に重要な役割を担っている。しかし、その分子的な関係についてはほとんどわかっていない。ドイツ糖尿病研究センター(DZD)のファビアン・アイケルマン博士率いる研究チームは、最新の分析法であるリピドミクスを用いて、心血管疾患および2型糖尿病に対して統計的に関連する脂質を特定した。さらに、不飽和脂肪酸(FA)の比率を高めた食事により、リスク関連脂質が減少し、低リスクの脂質が増加することを明らかにした。この研究成果は、2022年4月15日付の『Circulation』に掲載された。このオープンアクセス論文は、「ヒト血漿中の深部リピドミクス-心代謝疾患リスクと食事脂肪調節の効果(Deep Lipidomics in Human Plasma-Cardiometabolic Disease Risk and Effect of Dietary Fat Modulation)」と題されている。 心血管疾患は、世界における死亡原因の第1位であり、年間約1800万人が亡くなっている。2型糖尿病の患者は、心臓発作や脳卒中にかかるリスクが2~3倍高くなると言われている。罹患者数は数十年にわたり着実に増加し続けている。ドイツではすでに800万人以上の人が2型糖尿病を患っている。科学的な予測によると、この数字は2040年までに約1,200万人にまで増加すると言われている。そのため、糖尿病の発症を予防あるいは軽減するために、疾患の発症を早期に示すバイオマーカーを特定することが強く望まれている。これまでの研究から、心血管疾患や2型糖尿病は脂質代謝と密接な関係があることが明らかになっている。これらの関係を分子レベルで解明するために、科学者らは数年前からリピドミクス分析を利用している。これは、血漿中の脂肪酸プロファイルを非常に詳細に把握することができる最新の分析手法で
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