児童の不応性てんかん早期発症発見法の改善で効果的な非薬物的治療も可能に
サイエンス出版部 発行書籍
てんかん患者は世界中で6,500万人にもなる。この疾患は脳の状態によって突然ひきつけを起こすもので、原因が突き止められないことも多い。ひきつけはニューロン間の電気的連絡が乱される症状で、24時間以上の間隔をおいて2回以上のひきつけを起こした場合にてんかんと診断される。てんかんは小児神経学ではもっとも一般的な慢性疾患であり、0.5%から1%程度の児童が遅かれ早かれ生きている間にてんかんを発症する。 また、てんかん小児患者の30%から40%が不応性てんかんで、これは抗てんかん薬 (AED) で管理できないタイプのてんかんを指す。不応性てんかん児童患者は、その病因にかかわりなく、全員が様々な身体的、心理的、社会的病状を抱えている。ひきつけを医薬で管理できない患者でも、手術、脳深部刺激療法、ケトン食療法などの非薬物的療法で改善することがある。従って、抗てんかん薬に不応な患者のひきつけを早期に判定することができれば時機を失わずに代替療法で対応することができる。 特発性病因は不応性てんかんのリスクが低いことを示す兆候として有力だが、あるタイプの特発性てんかん患者は治療に対して不応性を示すことがある。台湾の医師と研究者のチームは、新しい脳波 (EEG) 解析法を用いて特発性てんかんの小児患者によく見られる特定のEEGの特徴を捉えるツールを開発した。チームは、不応性の特発性てんかん早期予測にEEG分類解析をもとにした効果的な自動数量化法を開発したのである。このEEG解析法は、脳疾患を調べたり、脳の電気的活動を研究したりするために広く用いられているが、この研究では、薬物による管理良好なてんかん患者と不応性てんかん患者という2タイプの患者からEEG記録を集め、人為的な影響のない部分を拾い出した。この研究では、かなり特徴のあるEEG特性を調べると同時にコンピュータ使用コストを抑えるため
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