近視遺伝子24種同定される
サイエンス出版部 発行書籍
King's College Londonの研究者グループに率いられた国際的な科学者チームが眼球屈折異常や近視を引き起こす遺伝子を新たに24種類同定した。近視は世界中で失明や視覚障害の大きな原因になっており、現在のところ治療法はない。Nature Genetics誌2013年2月10日付オンライで発表された研究論文は、この形質の遺伝的原因を解明しており、より効果的な近視の治療法や予防法を開発する基礎になる可能性がある。 西洋人の場合には30%、アジア人の場合には80%の人が近視になる。児童期から思春期にかけて視覚器官の成長に際して眼球は前後に伸びるが、近視では眼球が伸びすぎ、眼球内に入った光が網膜に像を結ばず、その前に像を結んでしまい、網膜の像は焦点の外れたぼけた画像になる。このような眼球屈折異常は眼鏡、コンタクトレンズ、外科手術などで矯正することができるが、眼球は長いままであり、網膜は薄くなったままである。これが特に強い近視では、さらに網膜剥離、緑内障、黄斑変性症などにつながる。近視は非常に遺伝性が強く、これまでのところ、近視の遺伝的仕組みが分かっていなかった。 近視の遺伝的な原因を探るため、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、アメリカの研究者グループが共同研究組織Consortium for Refraction and Myopia (CREAM)を構築した。研究者チームは、32件の研究から45,000人を超える被験者の遺伝データや眼球屈折異常データを集めて分析し、この遺伝形質に関連した24種類の遺伝子を新しく突き止めた他、過去に研究論文で取り上げられている2種類の遺伝子についても確認した。面白いことに、近視はアジア人の方が発生率が高いにもかかわらず、遺伝子は、ヨーロッパ人とアジア人のグループの間で目立った違いが見られなかった。新しく突き止められた遺伝子は、
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