線虫研究から明らかに:まれな遺伝病の新発見
サイエンス出版部 発行書籍
未解明の病気に新たな光、タンパク質の折りたたみ機能障害による新型遺伝性疾患を発見 ワシントン大学セントルイス校(Washington University School of Medicine in St. Louis)の研究者らは、世界各地の医療チームと協力し、既知の疾患パターンに該当しないまれな遺伝性疾患を持つ子どもの原因を解明しました。この研究は2024年10月31日付けで科学誌Scienceに「Brain Malformations and Seizures by Impaired Chaperonin Function of Tric(脳の奇形とシャペロニン機能障害による発作)」として掲載されました。 子どもの症状の原因を解明し、新たな疾患タイプを特定 この研究では、知的障害、筋緊張低下、小脳の奇形を持つドイツの男児を対象とし、遺伝子変異が神経系やタンパク質折りたたみ機能に与える影響を調べました。この男児にはCCT3遺伝子に変異があり、研究チームはその遺伝的変化が疾患の原因である可能性を探りました。 ワシントン大学のスティーブン・パク博士(Stephen Pak, PhD)は、「多くの重篤でまれな遺伝性疾患の患者が、徹底した医療評価を受けても診断がつかない状況です。今回の研究により、この家族が子どもの病気をより深く理解し、不要な医療検査を避けることが可能になりました」と述べています。 タンパク質折りたたみの役割と疾患の関係 研究では、モデル生物の線虫(C. elegans)を用い、CCT3遺伝子の変異が運動能力や神経系にどのような影響を及ぼすかを解析しました。この遺伝子は、TRIC/CCTシャペロニンと呼ばれるタンパク質折りたたみ機構の一部を形成しており、この機構が正常に機能するには健康なCCT3が一定量必要であることが判明しました。 さらに、ド
医学系国際学会における英語ポスター発表をサポートします 。
CovalX コンフォメーショナルエピトープマッピング受託解析サービス
同じカテゴリーの記事
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill