遺伝子が動脈硬化の進行を左右?新たなリスク分類法を発見

遺伝子が動脈硬化の進行を左右?新たなリスク分類法を発見

サイエンス出版部 発行書籍

遺伝的要因が動脈硬化プラークの細胞組成を左右し、心筋梗塞・脳卒中リスクに影響 ーカロリンスカ研究所の研究 カロリンスカ研究所(スウェーデン)の研究者らは、遺伝的要因が動脈硬化(アテローム性動脈硬化)プラークの細胞組成に影響を与え、それが心筋梗塞や脳卒中のリスクに関わることを明らかにしました。この研究成果は、2024年11月18日にEuropean Heart Journalに掲載されました。研究論文のタイトルは「Atheroma Transcriptomics Identifies ARNTL As a Smooth Muscle Cell Regulator and with Clinical and Genetic Data Improves Risk Stratification(アテローム転写オミクスがARNTLを平滑筋細胞の調節因子として特定し、臨床・遺伝データと組み合わせることでリスク層別化を向上)」です。 遺伝的要因が血管平滑筋細胞の構成に影響 動脈硬化は、脳卒中や心筋梗塞といった心血管疾患の主な原因とされています。今回の研究では、カロリンスカ研究所の研究チームが、スタンフォード大学およびバージニア大学(米国)の研究者らと協力し、動脈硬化プラークに含まれる異なる細胞種の組成と遺伝的要因との関連を解明しました。 本研究は、カロリンスカ動脈内膜摘除バイオバンク(Biobank of Karolinska Endarterectomies, BiKE) に保存された動脈硬化患者の組織サンプルを用いた解析に基づいています。 「これまでの研究では、遺伝がコレステロールや血中の脂質、免疫細胞のレベルに関与することが知られていました。しかし今回の研究で、遺伝が動脈硬化患者の血管平滑筋細胞の構成にも影響することが明らかになりました」と、研究を主導したカロリンスカ

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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