単細胞生物も学習する?「慣れ」の新たなメカニズムを解明

サイエンス出版部 発行書籍
単細胞生物にも学習能力が?「慣れ」のメカニズムを解明 細胞が環境に適応する仕組みを新たに発見。 犬が「お座り」を学ぶように、人間が洗濯機の音を聞き流せるようになるように、生物の適応能力は進化や生存において極めて重要です。生物は環境からの刺激に適応し、学習することで生存に有利な行動を取ることができます。この適応の一形態である「慣れ」とは、繰り返し受ける刺激に対する反応が次第に弱まる現象を指し、学習の基本的なメカニズムのひとつと考えられています。 これまで、慣れは脳や神経系を持つ生物のみが示す特性と考えられてきました。例えば、ミミズや昆虫、鳥類、哺乳類などがその典型例とされており、単細胞生物にはこのような高度な適応能力はないと考えられていました。しかし、2024年11月19日に学術誌『Current Biology』に掲載された研究によって、単細胞生物である繊毛虫やアメーバ、さらにはヒトの体内の細胞にも「慣れ」の特徴が見られる可能性があることが明らかになりました。 この研究は、ハーバード大学医学部(Harvard Medical School, HMS)とバルセロナのゲノム規制センター(Centre for Genomic Regulation, CRG)の科学者チームによって実施されました。研究論文のタイトルは「Biochemically Plausible Models of Habituation for Single-Cell Learning」(単細胞学習における慣れの生化学的に妥当なモデル)です。 ハーバード大学医学部のジェレミー・グナワルデナ(Jeremy Gunawardena, PhD)准教授は、この研究の重要性について次のように述べています。 「この発見は、私たちに新たな謎を提示しました。脳を持たない細胞が、どのようにしてこれほど複雑な適応を
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