ガン転移に効く植物由来化合物が40個以上も発見される

ガン転移に効く植物由来化合物が40個以上も発見される

サイエンス出版部 発行書籍

ワシントン州立大学(WSU)の研究により、40個以上もの植物由来の化合物が、ガンの進行を遅らせる遺伝子を活性化することが可能であることが判明した。ガンの転移こそが致命的であるため、今回の発見はとても励みになる、とWSU薬学部教授および学部長のゲリー・メドウズ博士は語る。さらに、食生活の改善、栄養学的アプローチ、そしてこの植物由来化学物質を合わせて、多くの道を開いているように見えると言う。   「我々は常に特効薬を探しているのです。そして、我々が食べる物や生活の傍らにこそ、そのような特効薬が存在するのです。我々はただ、それらを上手く使わないといけないだけなのです。」と、メドウズ博士は語る。2012年6月のCancer and Metastasis Reviews誌に掲載された本研究はメドウズ博士によって、いくつかの単純なロジックの元に進められた。ほとんどの研究はガンの予防または腫瘍の治療に焦点を当てているが、致命的となるのはガンの他臓器への拡散である。そのため、腫瘍を治療するよりも拡散または転移をコントロールするほうが重要なのである。栄養学的アプローチと転移抑制遺伝子のコンセプトは学術誌などでもほとんど見られないため、PubMedの研究データベースを検索するのも一苦労であった。 「研究者のほとんどは、研究目標に転移抑制遺伝子を含んでいなかったのです。これらは、研究の過程で見たその他大勢の遺伝子と同様に扱われていました。」と、メドウズ博士は語る。しかしメドウズ博士はそれらの研究に目を通し、転移抑制遺伝子がいつオン/オフされるのかを調べた。そして、様々なガンにおける転移抑制遺伝子に影響を与える物質を複数見つけたのである。アミノ酸、ビタミンD、エタノール、高麗人参エキス、トマトカロテノイドリコピン、ウコンの成分クルクミン、ザクロジュースや魚油など、乳房、結腸直腸、前立腺、皮膚

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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