ジャガイモの祖先はトマトとのハーフだった!ゲノム解析が解き明かす900万年前の出会い

ジャガイモの祖先はトマトとのハーフだった!ゲノム解析が解き明かす900万年前の出会い

食卓に欠かせないジャガイモ。そのルーツを辿ると、なんとトマトとの意外な出会いがあったことをご存知でしょうか?約900万年前、南米大陸で起きた壮大な自然のドラマが、私たちが知るジャガイモを誕生させました。最新のゲノム解析技術が、この世界で最も重要な作物の一つであるジャガイモの、長く謎に包まれていた誕生の秘密を解き明かしたのです。驚きに満ちた進化の物語をご紹介します。 国際的な研究チームが、約900万年前にトマトの祖先にあたる植物と、南米原産のジャガイモに似た種との間で起こった自然交雑が、現代のジャガイモを生み出したことを突き止めました。2025年7月31日にCell Press社の学術誌Cellで発表された研究で、研究者たちは、この古代の進化的イベントが「塊茎(かいけい)」、つまりジャガイモやヤムイモ、タロイモなどに見られる、栄養を蓄える肥大化した地下構造の形成を引き起こしたと示唆しています。このオープンアクセスの論文は、「Ancient Hybridization Underlies Tuberization and Radiation of the Potato Lineage(古代の交雑がジャガイモ系統の塊茎形成と多様化の基盤である)」と題されています。「私たちの発見は、種間の交雑イベントが、いかにして新しい形質の進化を促し、さらなる種の出現を可能にするかを示しています」と、責任著者である中国農業科学院のサンウェン・フアン博士(Sanwen Huang, PhD)は語ります。「私たちはついに、ジャガイモがどこから来たのかという謎を解明したのです。」 世界で最も重要な作物の一つとして、ジャガイモの起源は長い間、科学者たちを悩ませてきました。見た目において、現代のジャガイモの地上部分は、チリに自生するEtuberosumと呼ばれる3種のジャガイモに似た植物とほぼ同一

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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