氷の下で1,500年過ごした南極のコケ生き返る
サイエンス出版部 発行書籍
British Antarctic SurveyとUniversity of Readingの研究チームがCell Pressの2014年3月17日付「Current Biology」オンライン版に研究論文を掲載、「南極のコケが1,500年間氷の下で完全に休眠状態で過ごした後、生き返ることができた」と発表している。その研究以前には、長年凍結した植物がそのまま再生を始められるというのは凍結期間20年が最高限度で、それ以上になると、長年凍結休止状態にあった生物が復活するというのは微生物に限られていた。 British Antarctic SurveyのDr. Peter Conveyは、「これらのコケは基本的に長期冷凍状態にあった。これほど長期間凍結状態にあって生き延び、復活したというのはこれまで報告されていない」と述べている。博士は、「北極圏でも南極圏でもコケは陸地の一次生産者であり、コケがこのように凍結状態で長年生き延びることができるという事実は南極の生態系や気候を考える上で重要な意味がある」と述べ、特に北半球高緯度地域では固定炭素が大部分コケの形で貯蔵されている。コケがこれほど長期間凍結状態で生き延びることができるなら、氷が後退していった後のコケ再生には遠くから海を越えてコケが群生するのを待つ必要はないはずだ。 Dr. Conveyと同僚研究者は主として極地のコケのコアを研究しており、このコケのコアは過去の気候条件の履歴を保存している。彼らは、このコケのコアから各時代の成長率を調べ、その成長率から割り出した各時代の環境や環境の変化を再現している。現在、南極のコア・サンプルで研究しているコケの堆積物で最古のものは5,000年から6,000年前にさかのぼる。彼らが現在研究しているコア・サンプルは、その基部で2,000年近いものである。研究を始めた当初は、10年か20
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