世界最大のゲノムを持つ植物、トネリコシダの驚異
サイエンス出版部 発行書籍
ニューカレドニアの熱帯雨林に生息する小さな植物、トネリコシダ(Tmesipteris oblanceolata)が持つ驚異的なゲノムサイズとは? 2024年5月31日、科学雑誌iScienceに発表された論文「A 160 Gbp Fork Fern Genome Shatters Size Record for Eukaryotes(160Gbpのトネリコシダゲノムが真核生物のサイズ記録を破る)」は、トネリコシダのゲノムサイズが160.75 Gbp/1Cに達することを明らかにしました。この発見は、遺伝学研究の境界を再定義し、新たな議論と研究を巻き起こすことでしょう。 主要な発見驚異的なゲノムサイズ: トネリコシダのゲノムはヒトのゲノムの50倍以上のサイズを持ち、真核生物で最大のゲノムとして記録されました。遺伝的境界の拡大: この発見は、真核生物のゲノムサイズの既知の範囲を61,000倍以上に拡大し、植物界の極端な遺伝的多様性を示しています。進化の驚異: この巨大なゲノムは、ゲノムサイズの限界に関する既存の理論に挑戦し、ゲノム巨大化の動態を理解するための新たな道を開きます。 研究の詳細 バルセロナ植物研究所と英国のロイヤル植物園キューの科学者らは、高度なプロピジウムヨウ化物フローサイトメトリーを使用して、トネリコシダのゲノムサイズを測定しました。その結果、これまでに記録された真核生物の中で最も大きなゲノムサイズが明らかになり、この植物が進化の過程でどのようにして巨大なゲノムを持つようになったのかに関する新たな洞察を提供します。 トネリコシダのゲノムサイズは、1600億塩基対に達し、これまでの記録保持者であるパリスジャポニカ(Paris japonica)を110億塩基対上回り、動物界で最大のゲノムを持つマーブルドロンフィッシュ(Protopterus ae
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