ヨモギ属の越年草が、脳腫瘍やウイルス感染症の治療に役立つ可能性

ヨモギ属の越年草が、脳腫瘍やウイルス感染症の治療に役立つ可能性

テキサス州サンアントニオ大学(University of Texas at San Antonio、UTSA)のバレリー・スポンセル博士(Valerie Sponsel)の生物学研究室には、アルテミシア・アンニュア(Sweet Annie)というヨモギ属の越年草が整然と並べられています。この植物は、医薬成分を持つことで知られています。スポンセル博士の研究室のちょうど上の階には、フランシス・ヨシモト博士(Francis Yoshimoto)の化学研究室があり、彼はこの植物の葉から医薬成分を抽出しています。近いうちに、彼らはUTSAのアニー・リン博士(Annie Lin)と合流し、抽出された成分を癌細胞に試験する予定です。研究の焦点は、この植物に含まれるArteannuin Bという成分が、癌細胞や新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に引き起こされるCOVID-19との関係を解明することだと言います。

「処方薬の約50%は、植物、菌類、またはバクテリアから由来しています。これらの薬の半分は植物由来です。この事実を考慮すると、世界に存在するすべての薬がどれだけ驚異的かがわかります」とスポンセル博士は語る。「様々な植物が異なる医薬成分を生産します。特に癌に関しては、過去半世紀で初めて発見された多くの成分が存在します。すべての癌を治療する単一の成分は存在しないため、研究が続けられています。」

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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