太平洋の植物、ミトコンドリアに6種の異種ゲノム呑み込む

太平洋の植物、ミトコンドリアに6種の異種ゲノム呑み込む

サイエンス出版部 発行書籍

遠く離れた太平洋のたった一つの島にだけ茂る植物、Amborella trichopodaは一科一属一種の植物である。また、この植物は、2億年前に他の植物から分かれたもっとも古い顕花植物の一つでもある。Indiana University、U.S. Department of Energy Joint Genome Institute (DOE JGI)、Penn State University、ニュー・カレドニアのInstitute of Research for Developmentの合同研究チームは、この植物のエネルギー生成構造を支える異常なほどのゲノムの規模を突き止めた。   なんと、この植物は、細胞中のエネルギー生成小器官である ミトコンドリアが遺伝子の水平伝播と呼ばれる特異な現象で他種植物のDNAの6種に相当するゲノムを獲得していたのである。1種はコケ、3種の緑藻、2種の顕花植物のゲノムだった。細胞小器官が他種生物のゲノムをまるまま取り込んだことを確認されたのは初めてであり、陸上植物が緑藻の遺伝子を吸収していることを確認されたのも初めてだった。2013年12月20日付Science誌に掲載された研究論文の首席著者、Indiana UniversityのDr. Palmerは、「Amborella trichopodaのミトコンドリアは、他の植物や藻類のゲノムをまるまま呑み込み、そればかりか、そのゲノムを長い歳月にわたって保存してきた」と述べ、論文もAmborellaのゲノム大食癖の規模を明らかにしている。 このミトコンドリア・ゲノムに関する研究の報告には、Amborella Genome ProjectによるAmborella trichopoodaの核ゲノムに関する研究論文、他の研究グループによるAmborella trichopodaの質の高いゲノム

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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