植物の適応性の秘密はエピゲノムの高度な多様性
アメリカ合衆国カリフォルニア州ラ・ホラのSalk Institute for Biological Studiesで研究する科学者達はエピゲノムの多様性にある種のパターンを解明した。このエピゲノム多様性は、植物が様々な環境に適応するカギを握っているだけでなく、作物栽培やヒトの疾患研究にも役立つ可能性がある。Nature誌2013年3月6日付オンライン版に掲載されたこの論文は、世界中の植物に見られる遺伝子の多様性に加えて、そのエピゲノム構成も植物の分布する環境に合わせて様々な変化があることを突き止めている。
エピゲノミクスは、DNA塩基配列上に存在しその発現を調節している化学物質のマーカー・パターンを研究する学問分野である。分布地域の条件によって、植物がその環境に素早く適応できるようになるのはエピゲノムの差異によって調節されるているようだ。エピゲノミックな修飾は、DNA配列(A-T-C-G)を変えずに遺伝子の発現を変更することができ、それによって、遺伝子には、細胞機構を微調節する機能が可能になる。このような変化は植物だけでなく人間の体内でも行われている。
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