抗生物質耐性との戦いに光明、黄色ブドウ球菌のウイルス防御メカニズムとは

サイエンス出版部 発行書籍
薬が効かない「スーパー耐性菌」。この静かなる脅威は、数十年後にはがんによる死亡者数を超えるとも言われ、世界的な健康課題となっています。「敵の敵は味方」という発想で、細菌を攻撃するウイルス(ファージ)を使った治療法が期待されていますが、細菌も巧みにウイルスから身を守る術を持っています。スウェーデンの研究チームが、その賢い防御システムの謎を解き明かし、耐性菌との戦いに新たな光を当てました。抗生物質耐性は、数十年以内にがんによる死亡率を上回る可能性のある、世界的な健康課題です。スウェーデンのウメオ大学の研究者たちは、新しい研究で、耐性の出現が、細菌がウイルスの感染から身を守るための防御機構を構築する仕組みの中で理解できることを示しました。それは、攻撃してくるウイルスの増殖能力を妨害する細菌内の遺伝子に関するものです。 この研究成果は、2025年2月22日に「Nature Communications」誌に掲載されました。このオープンアクセスの論文タイトルは、「ファージの相同組換え酵素を標的とするファージ寄生体が抗ウイルス免疫を提供する(Phage Parasites Targeting Phage Homologous Recombinases Provide Antiviral Immunity)」です。 「抗生物質耐性への鍵の一つは、ウイルスを使って細菌を殺すことかもしれませんが、細菌がウイルスから身を守るために用いるシステムは(編集者注:CRISPRを除き)知られていません。これらのシステムを理解することは、将来的に重篤な感染症を治療できるよう、その防御をいかに打ち破るかという研究への道を開きます」と、ウメオ大学の助教であり、本研究の筆頭著者であるイグナシオ・ミル・サンチス博士(Ignacio Mir-Sanchis, DVM, PhD)は述べています。 ウメオ
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