砂漠アリの磁気受容メカニズム:他の昆虫とは異なるナビゲーション戦略

砂漠アリの磁気受容メカニズム:他の昆虫とは異なるナビゲーション戦略

サイエンス出版部 発行書籍

磁気受容の基礎的メカニズムは他の昆虫とは異なる可能性 ドイツ・オルデンブルク大学(University of Oldenburg)のポーリーン・フライシュマン博士(Pauline Fleischmann, PhD)率いる研究チームは、砂漠アリ(Cataglyphis nodus)が空間認識のために地球の磁場を利用するものの、他の昆虫とは異なる磁場の要素に依存していることを発見しました。本研究の結果は、2024年12月6日付の学術誌『Current Biology』に掲載されました。論文タイトルは「Cataglyphis Ants Have a Polarity-Sensitive Magnetic Compass(カタグリフィスアリは極性に敏感な磁気コンパスを持つ)」です。 研究チームによると、この結果は、砂漠アリが磁気受容を行うメカニズムが、例えばオオカバマダラ(monarch butterfly)のような、これまで研究されてきた多くの昆虫とは異なる可能性を示唆しています。研究者らは、この砂漠アリの磁気受容が、磁鉄鉱(magnetite)やその他の磁性粒子を含むメカニズムに基づいている可能性があると考えています。 動物の磁気受容メカニズムは依然として議論の的 動物が磁気受容をどのように行い、それがどのような物理的メカニズムに基づいているのかについては、いまだに科学者の間で活発な議論が交わされています。現在議論されている仮説の一つに、ラジカルペア機構(radical-pair mechanism)と呼ばれる光依存的な量子効果があります。小型のスズメ類や、オオカバマダラなどの一部の昆虫は、この機構を利用していると考えられています。オルデンブルク大学の生物学者ヘンリク・モウリツェン教授(Henrik Mouritsen, PhD)が主導する共同研究センター「脊椎動物

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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