
カビ類は創薬にとって天然分子の豊かな宝庫ではあるが、様々な困難もあり、製薬会社もこの宝庫に手を付けることをためらってきた。
ところが現在、研究者はゲノム解析、データ解析を用いてカビが産生する分子を効率的に選別し、新しい医薬、あるいは新世代のペニシリンをさえ見つける手がかりを見つける技術を開発した。Northwestern University、University of Wisconsin-Madison、それにバイオテック会社のIntact Genomicsの研究者らが共同で行った研究結果が2017年6月12日付Nature Chemical Biologyオンライン版に掲載されている。
この論文は、「A Scalable Platform to Identify Fungal Secondary Metabolites and Their Gene Clusters (カビの二次代謝産物とその遺伝子クラスターを同定するためのスケーラブル・プラットフォーム)」と題されている。
Proteomics Center of ExcellenceのDirector、Weinberg College of Arts and SciencesおよびDivision of Hematology and Oncologyの教授を兼任するNeil Kelleher (写真), PhDは、「創薬は自然に還るべきだし、カビは新薬の宝庫だ。私達の研究でも、新薬の無尽蔵の源泉を提供するために工業レベルにまでスケールアップ可能な新しいプラットフォームを樹立した。私達の手法は、ペニシリンは新しく再発見する代わりに、体系的に新しく貴重な化合物を探しだし、その化合物を産んだ遺伝子を突き止めることだ。
そこからさらに深く追究することができる」と述べている。研究者達は、何千あるいは何百万という数のカビ由来の分子が発見されるのを待っており、その健康、社会、経済効果は計り知れないものがあると考えている。
新技術は、微生物界で何千年もかけて進化してきた強力な生物活性的分子を新薬の手がかりとして体系的に見つけ出すものである。このような小さな分子はたとえば新しい抗生物質、免疫抑制薬、高コレステロール治療薬などに結びつく可能性がある。
Dr. Kelleher は、過去4年間、Robert L. Metzenberg and Kenneth B. Raper Professor of MycologyのNancy Keller, PhDと共同研究を続けてきた。
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