自己組織化ナノフラワーで創傷治癒を加速:抗菌・抗炎症包帯が登場

自己組織化ナノフラワーで創傷治癒を加速:抗菌・抗炎症包帯が登場

サイエンス出版部 発行書籍

カーネーションのようなナノ構造体が、将来的には創傷治癒を促進するための包帯に使用される可能性があります。研究者らは『ACS Applied Bio Materials』誌において、ナノフラワーでコーティングされた包帯の実験室試験により、抗生物質作用、抗炎症作用、そして生体適合性を示したと報告しています。これらの結果から、タンニン酸とリン酸銅(II)から発芽させたナノフラワー包帯が、感染症や炎症性疾患の治療において有望な候補であると述べています。この論文は2025年1月6日に発表され、タイトルは「Self-Assembled Nanoflowers from Natural Building Blocks with Antioxidant, Antibacterial, and Antibiofilm Properties(抗酸化・抗菌・抗バイオフィルム特性を有する天然構成要素由来の自己組織化ナノフラワー)」です。 ナノフラワーは、自発的に組み上がる微細な構造体ですが、その広い表面積により薬剤分子を多数付着させることができ、薬剤の送達に特に適しています。包帯の「花」を設計するにあたり、ジェノヴァ大学のファテメ・アフマドプール(Fatemeh Ahmadpoor)とピエル・フランチェスコ・フェラーリ(Pier Francesco Ferrari)らは、タンニン酸とリン酸銅(II)を使用しました。両方の試薬が抗菌性および抗炎症性を有するためです。研究者らは、生理食塩水中でナノフラワーを成長させた後、生体模倣構造をエレクトロスピニング法で作製したナノファイバー布地のストリップに付着させました。 その結果、ナノフラワーでコーティングされた包帯は、培養された広範な細菌(大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌など)およびそれらの抗生物質耐性バイオフィルムを不活性化し、活性酸素種(ROS)

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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