併用化学療法第3相試験で早期膵がん手術後の5年生存率が上昇

併用化学療法第3相試験で早期膵がん手術後の5年生存率が上昇

サイエンス出版部 発行書籍

膵がん治療薬の試験としてはかなり大きな規模で行われた第3相試験で、gemcitabineと経口抗がん剤のcapecitabineを併用することで毒性を増すことなく生存率を引き上げることができることが示された。現在、gemcitabineは、膵がん摘出手術後の標準的な補助化学療法として世界的に用いられている。   この研究は、2016年6月3日の記者会見で発表されており、また、2016年6月3日から7日までアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ市で開催された2016 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meetingにおいても発表された。論文の筆頭著者で、イギリスのリヴァプール大学, Department of Molecular and Clinical Cancer MedicineのChair of Surgeryを務めるJohn P. Neoptolemos, M.A., M.B., B.Chir., M.D., F.Med.Sci.は、「残念ながら、ほとんどの膵がん患者は、がんと診断された時には手術は不可能だ。しかし、手術が可能な患者は、2種の一般的な抗がん剤を併用することで生存率が高められたという研究成果は大きい」と述べている。 European Study Group for Pancreatic Cancer (ESPAC) 4試験は、732人の患者を対象にして行われており、膵がん手術を受けた患者で行われた臨床試験としては歴史的に2番目の規模である。手術後12週間以内の早期膵管腺がん患者はランダムに選別され、24週間にわたって、gemcitabineのみまたは、gemcitabineとcapecitabineとの双方を与えられた。メディアン生存率は、併用化学療法で28か月、gemcitabine

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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