胎児期の飢饉が成人期の2型糖尿病リスクを2倍に:ウクライナのホロドモールが健康に与えた長期的影響
サイエンス出版部 発行書籍
コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院(Columbia University Mailman School of Public Health)、ノースカロライナ大学チャペルヒル校(University of North Carolina at Chapel Hill)、およびウクライナ国立科学アカデミー(National Academy of Sciences of Ukraine)の研究者らは、1932-1933年のウクライナで発生した人為的飢饉「ホロドモール(Holodomor)」を背景に、胎児期の飢饉被曝と成人期の2型糖尿病(Type 2 Diabetes Mellitus: T2DM)の関係を調査しました。研究チームは、1930年から1938年に生まれた男女1,018万6,016人を対象とし、2000年から2008年に診断された2型糖尿病の12万8,225例を分析しました。 コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院が主導した本研究によると、胎児期初期に飢饉に曝露された個体は、飢饉の影響を受けなかった個体に比べ、2型糖尿病を発症するリスクが2倍以上に上昇することが明らかになりました。研究結果は2024年8月8日発行のScience誌に掲載されました。論文タイトルは「Fetal Exposure to the Ukraine Famine of 1932-1933 and Adult Type 2 Diabetes Mellitus(1932-1933年ウクライナ飢饉の胎児期被曝と成人2型糖尿病)」です。 この飢饉は、わずか6か月間で約400万人の超過死亡を引き起こし、ウクライナ全土に甚大な被害を与えました。1933年の出生時の平均余命は、女性で7.2年、男性でわずか4.3年にまで低下しました。 「ウクライナの飢饉は、胎児期の飢饉被曝がその後の健康に与える長期
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