細胞内ガン抗原に届く抗体で、抗がん免疫強化
サイエンス出版部 発行書籍
癌治療において化学療法および免疫療法を併用することで、ガン細胞を探し、排除する免疫システムの機能を強化することが出来る。しかもこれは、ガン関連タンパク質がガン細胞膜の背後に隠れている場合でも有効である。と、日本およびスイス、そして米国の国際研究チームが発表した。2012年2月8日付けのCancer Research誌のオンライ版で発表された記事において研究チームは、特定の癌治療において有効である抗体が、化学療法と併用された場合、細胞内の捉えにくいターゲットまで的確に届き、結果腫瘍の進行を遅らせ、生存期間を延ばすことが出来ると発表した。 「本研究は癌治療薬の開発における着目点を広げる新しい方策の原理証明を提供しており、それにより異なる種類の癌に幅広く適用可能になるかもしれません。」と、Cancer Research誌の責任著書であり、がん研究所(CRI)より資金提供を受けている大阪大学免疫学フロンティア研究センター実験免疫学、西川博嘉准教授は語る。ガンに対する抗体の導入は、過去20年間にわたるガン治療において最大の成功をおさめている。この治療法は、ガン細胞の表面上のマーカーをターゲットとし、乳がん細胞におけるHER2/neuマーカーをターゲットとする画期的新薬ハーセプチン、およびB細胞性リンパ腫">におけるCD20マーカーをターゲットとするリツキサンを含む。しかし正常細胞からガン細胞を区別できるマーカーの大半は、抗体が一般的にはアクセス出来ないガン細胞">の内部に存在するのである。 「ガン細胞内のガン抗原を治療することの出来る療法があれば、正常細胞に対する付帯的損害により起こる副作用無しで抗がん治療が可能になります。」と、ルードヴィヒ癌研究所(LICR)ニューヨーク支部の準ディレクターおよび本研究の共同責任著者、ゲルド・リッター博士は語る。リッター博士は
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