アミリンとレプチンが食物摂取量と体重を調節する機序を新研究が示唆
サイエンス出版部 発行書籍
空腹感と満腹感の分子レベルの機序は代謝障害や肥満の問題を理解する上できわめて重要な手がかりになるが、研究者もまだ十分に解明できていない。しかし、Rockefeller Universityの新研究で、摂食を調節するシステムの重要な部分が明らかにされた。 アミリンと呼ばれるホルモンが脳で食物摂取量を調節する働きの一部を担っていたのである。Rockefeller UniversityのLaboratory of Molecular Geneticsを率い、Marilyn M. Simpson Professorを務めるJeffrey Friedman, Ph.D.は、「個人の食物摂取量は複雑な回路で調節されており、それを理解するためには関わっているすべての物質を突き止めなければならない。私達が、食餌行動に関わっている脳の視床下部という領域のニューロン・プロファイリングをしている時にアミリンに目がとまった。視床下部が体の糖代謝に関わっていることから、その視床下部が脳でどのような機能を果たしているのかを知りたくなった」と述べている。Dr. Friedmanは、1994年に、この食餌行動調節因子のホルモンであるレプチンを発見したことで知られている。 レプチン産生不良は肥満が招くと考えられている。しかし、レプチンだけで肥満を治療しようとしても、極度のレプチン欠乏の場合を除けば、改善効果はなく、このシステムには他にも関わっている物質があることを示している。2015年12月1日付Cell Metabolismに掲載された新しい研究論文で、レプチンとアミリンとが相乗的に作用し、食物摂取量と体重を調節している可能性が示されている。この論文は、「Hypothalamic Amylin Acts in Concert with Leptin to Regulate Food Intake
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