妊娠初期に起動する「分子タイマー」が出産時期を決定

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UCSFの研究者ら、妊娠初期に活性化しマウスの出産時期に影響する分子タイマーを発見 一般的な人間の妊娠期間は40週とされていますが、多くの親がご存じのように、これはあくまで目安に過ぎません。赤ちゃんは予測困難なタイミングで生まれることが多く、正常な妊娠期間は38週から42週の範囲とされています。また、全出産の10%は在胎37週未満の「早産」に該当し、この場合、さまざまな合併症のリスクが高まります。このたび、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者らは、マウスにおいて出産時期の制御に関与する「分子タイマー」を発見しました。驚くべきことに、このタイマーは妊娠の最初の数日に子宮内で活性化されます。もし同様の分子機構がヒトにも当てはまるとすれば、早産リスクのある女性を特定するための新しい検査法や、そのリスクを軽減する介入手段の開発につながる可能性があります。 「早産は世界的に非常に大きな問題ですが、そのメカニズムは長らく不明でした。我々の研究が、その根本的な仕組みに光を当てるきっかけになればと願っています。」と語るのは、UCSF臨床検査医学教授であり、本研究の責任著者であるエイドリアン・アールバッカー博士(Adrian Erlebacher MD, PhD)です。本研究成果は2025年1月21日付で『Cell』誌に掲載されました。論文タイトルは「KDM6B-Dependent Epigenetic Programming of Uterine Fibroblasts in Early Pregnancy Regulates Parturition Timing in Mice(妊娠初期における子宮線維芽細胞のKDM6B依存性エピジェネティックプログラミングがマウスの出産時期を制御する)」です。 妊娠中のDNAパッケージング 妊娠を通じて、女性の
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