PMWC2023で遺伝性水疱性皮膚疾患(ジストロフィー性表皮水疱症)の遺伝子治療の予備的成功が報告される
サイエンス出版部 発行書籍
2023年1月25日、カリフォルニア州サンタクララで開催された精密医療世界会議(PMWC 2023)の1日目、トラック1「遺伝子・細胞治療」の閉会式で、「ジストロフィー性表皮水疱症」として知られる遺伝性水疱性皮膚疾患に対する遺伝子治療で大きな進展が見られるとの発表があった。発表したのは、スタンフォード大学皮膚科准教授で、スタンフォード水疱症クリニックを率いるM.ピーター マリンコビッチ医学博士だ。 マリンコビッチ博士の研究室では、表皮水疱症の様々なサブタイプに対する分子療法の開発に長年にわたり注力してきた。大きな前進として、マリンコビッチ博士らは、2022年12月15日発行のNew England Journal of Medicineに「ジストロフィー型表皮水疱症に対するベレマゲン・ゲペルパベック(B-VEC)の試験 〈Trial of Beremagene Geperpavec (B-VEC) for Dystrophic Epidermolysis Bullosa.〉」と題された論文を発表した。この研究の結論は、ジストロフィー性表皮水疱症患者の3ヶ月と6ヶ月の創傷の完全治癒は、プラセボよりもB-VECの局所投与でより可能性が高いというものだ。B-VECを投与された患者では、掻痒感と軽度の全身性副作用が観察された。ジストロフィー型表皮水疱症は、VII型コラーゲン(C7)の組み立てに関与するタンパク質をコードするCOL7A1の変異によって起こるまれな遺伝性水疱性皮膚疾患である。 Beremagene geperpavec(B-VEC)は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)をベースにした局所的な遺伝子治療で、正常なCOL7A1を送達することによりC7タンパク質を回復させるよう設計されている。この疾患に対するB-VECの耐久性と副作用を明らかにするために、より長期
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