肥満と糖尿病の新たな関係—脂肪細胞のサイズが糖代謝を左右する鍵

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肥満と2型糖尿病の新たな関係—脂肪細胞のサイズが糖代謝を左右する鍵 脂肪組織は食事からのエネルギーを蓄え、正常な糖代謝を維持するために不可欠な役割を果たします。しかし、肥満になると脂肪細胞が肥大化し、適切に機能しなくなることが知られています。この現象の分子メカニズムを、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のクラウディオ・ビジャヌエバ博士(Dr. Claudio Villanueva)率いる研究チームが解明しました。 本研究では、肥満によって脂肪幹細胞がリボソーム因子(ribosomal factors)を十分に産生できなくなることが、脂肪細胞の肥大化と糖代謝の異常につながることを発見しました。リボソーム因子を回復させることで、新たな小型の脂肪細胞が生まれ、糖代謝が改善されることも示され、2型糖尿病(Type 2 Diabetes, T2D)の治療に向けた新たな可能性が開かれました。 この研究は、2024年11月22日にCell Reports誌に掲載され、論文タイトルは「PPARγ-Dependent Remodeling of Translational Machinery in Adipose Progenitors Is Impaired in Obesity(肥満におけるPPARγ依存的な翻訳機構の再構築の障害)」です。 肥満と脂肪細胞のサイズ—新たなメカニズムを解明 長年の研究により、肥満が脂肪組織の新しい脂肪細胞の産生を妨げることは知られていました。しかし、その原因については十分な説明ができていませんでした。本研究では、肥満が脂肪幹細胞に影響を及ぼし、リボソーム因子の産生を阻害することで、脂肪細胞の形成が妨げられることを明らかにしました。 リボソーム因子は、細胞がタンパク質を合成するために不可欠な要素であり、脂肪幹細胞が分化して
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