多発性硬化症の進行を予測する新しいバイオマーカー発見
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多発性硬化症の予後を予測するバイオマーカーを特定 欧州多発性硬化症治療研究委員会(ECTRIMS 2024)で、2024年9月19日に発表された画期的な研究が、多発性硬化症(MS)の障害進行を予測する重要なバイオマーカーを明らかにしました。この研究は、世界中のMS患者に対して、より個別化された効果的な治療計画の提供を可能にする画期的な成果です。 研究概要と主要な発見 スペインとイタリアの13病院で実施された多施設観察研究で、ラモン・イ・カハル大学病院のエンリク・モンレアル博士(Dr. Enric Monreal)らが、発症初期の患者において血中神経フィラメント軽鎖(sNfL)濃度が高い場合、再発関連悪化(RAW: Relapse-Associated Worsening)および再発とは無関係な進行(PIRA: Progression Independent of Relapse Activity)を予測できることを示しました。また、アストロサイト由来の血中グリア線維酸性タンパク質(sGFAP)の濃度は、sNfL濃度が低い患者においてPIRAと相関があることが判明しました。 この研究では、発症後12カ月以内に採取された725人のMS患者の血液サンプルを、シングル分子アレイ(SIMOA: Single Molecule Array)技術を用いて分析し、sNfLおよびsGFAP濃度の予測的価値を評価しました。 主な結果 sNfL濃度が高い場合: CNS(中枢神経系)における急性炎症を示し、RAWリスクが45%、PIRAリスクが43%増加。標準的な疾患修飾治療(DMT)には反応しにくいものの、高効率DMT(Natalizumab、Alemtuzumab、Ocrelizumab、Rituximab、Ofatumumab)により顕著な効果が確認されました。 sGFA
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