ER陽性乳がんの転移と薬剤耐性を転写因子スイッチが誘発することを初期段階の研究が示唆

2019
6月 13
(木)
11:00
臨床医学のバイオニュース

ER陽性乳がんの転移と薬剤耐性を転写因子スイッチが誘発することを初期段階の研究が示唆

LondonのImperial CollegeおよびInstitute of Cancer Researchの科学者が率いる初期段階の研究で、乳がん細胞における遺伝的「スイッチ」が一種の内部足場の形成を促進することが確認された。
この足場は、髪を強く保つのを助けるケラチンタンパク質に関連するケラチン80と呼ばれるタンパク質でできている。
この足場の量を増やすと、がん細胞がより硬くなる。研究者らによれば、細胞が凝集して血流に乗って体の他の部分に移動するのを助けるかもしれない。

研究者らは、アロマターゼ阻害剤と呼ばれる一般的な乳がん薬で治療されたヒト乳がん細胞を研究した。
研究チームは、同じスイッチが乳がん細胞の薬剤抵抗性に関与していることを発見した(つまり、がんが回復すれば薬はもはや有効ではない)。
このスイッチを別の薬物で標的にすると、この耐性を逆転させることができ、癌が拡大する可能性が低くなる可能性があるとImperial Collegeの外科の研究を率いるLuca Magnani博士は説明している。
アロマターゼ阻害剤は癌細胞を殺すのに効果的だが、術後10年以内に約30%の患者が再発。さらに悪いことに、癌が再発したとき、それは通常体の周りに拡がって、治療が困難である。」

この新しい研究の結果は、2019年5月9日にNature Communicationsにオンラインで発表された。 オープンアクセスの論文は、「SREBP1は内分泌抵抗性ERα乳癌におけるケラチン80依存性細胞骨格変化および侵襲的行動を促進する(SREBP1 Drives Keratin-80-Dependent Cytoskeletal Changes and Invasive Behavior in Endocrine-Resistant ERα Breast Cancer.)」と題されている。

Magnani博士は、「これまでのところ理由は分からなかったが、我々の初期段階の研究では、転写因子と呼ばれる一種の遺伝子スイッチが癌細胞を増殖させるだけでなく、この遺伝子スイッチを標的とすることは癌細胞が薬物に対して抵抗性になるのを防ぎ、他の体の部分に広がるのを防ぐことができる。」

 

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