リンパ性白血病の「弱点」突き止める
サイエンス出版部 発行書籍
IRCM (Institut de recherches cliniques de Montréal) で統括している国際的な研究チームの発見は、リンパ性白血病の新しい治療法につながる可能性がある。IRCM">の会長で科学理事も務めるDr. Tarik Möröyが率いるこのチームは、この病気の「弱点」とも言える分子を発見しており、この分子を標的にすることで、現在主流となっている化学療法や放射線療法の副作用を軽減する新しい方向からの治療が可能になるかもしれない。 この研究成果は2013年2月11日付オンライン版の「Cancer Cell」で発表された。 この研究チームの成果は急性リンパ性白血病 (ALL">) にこれまでとは根本的に異なる治療法をもたらす可能性がある。白血病のもっとも一般的なタイプには4種類あり、その一つ、急性リンパ性白血病 (ALL">) は骨髄や血液のがんで、治療しなければ急速に進行していく。現在、治療法は[化学療法と放射線療法">が主だが、いずれも非常に毒性が強く、また非選択的であるため、腫瘍組織も健康な細胞も同じように破壊する。 IRCMでHematopoiesis and Cancer 研究部長も務め、この研究報告書の責任著者も務めたDr. Möröyは、「化学療法や放射線療法では、治療が効果をもたらす場合でも、患者は激しい副作用に苦しむことになりかねない。そのため、治療法を改善し、治療の効力を維持したまま必要な放射線照射量や化学薬品の服用量を減らすことができれば、副作用も抑えられ、患者にとっては苦しみが大幅に緩和されることになる。そのためにも、特定分子を標的とする治療法は将来性が非常に有望と言える。私が過去20年間にわたり、Gfi1と呼ばれる、血球の生成やがんの発達に重要な役割を果たす分子の研究を続けてきたのも
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