肥満の謎解明へ!レプチン抵抗性を「ラパマイシン」が覆す?ロックフェラー大が発見

 肥満の謎解明へ!レプチン抵抗性を「ラパマイシン」が覆す?ロックフェラー大が発見

サイエンス出版部 発行書籍

「食べても食べても満腹にならない」「ダイエットしてもなかなか痩せない」――その原因は、あなたの体が「満腹ホルモン」の声を無視しているからかもしれません。世界中で深刻な問題となっている肥満。その大部分に関わっているのが、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が効かなくなる「レプチン抵抗性」という状態です。なぜレプチンが効かなくなるのか? この長年の謎に、ロックフェラー大学の研究チームが光を当てました。彼らは、レプチン抵抗性の背後にある脳内のメカニズムを解明し、さらに驚くべきことに、古くから知られる薬剤「ラパマイシン」が、マウス実験でこの抵抗性を打ち破り、レプチンの働きを復活させることを発見したのです。これは、肥満治療の新たな突破口となるかもしれません。2025年3月4日に「Cell Metabolism」誌で発表されたこの研究は、レプチン発見から30年以上経て、その真の力を解き放つ可能性を示唆しています。論文タイトルは「A Cellular and Molecular Basis of Leptin Resistance(レプチン抵抗性の細胞および分子的基盤)」です。 「私たちの研究以前は、食事誘発性肥満マウスにおける肥満の原因は不明であり、レプチン抵抗性がどのように発症し、どのように覆すことができるのかという理解において、決定的なギャップが残っていました」と、共同筆頭著者であり、フリードマン研究室の大学院生であるボーウェン・タン氏(Bowen Tan)は述べています。 「ジェフリー・M・フリードマン博士(Jeffrey M. Friedman, PhD)が1994年にこの強力なホルモンを発見したにもかかわらず、肥満患者のほとんどがレプチンに対する抵抗性を獲得しているため、人々が体重を減らすのを助けるというその完全な可能性は実現されていませんでした」と、共同筆頭著者であり、

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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