失明治療に新展開!ブタの「ミニ網膜」作製成功 ヒト視細胞治療研究を加速

サイエンス出版部 発行書籍
失われた視力を取り戻す――そんな願いを叶えるかもしれない「視細胞補充療法」。実験室で育てた視細胞(光受容細胞: photoreceptors)を移植するこの治療法は、網膜の病気で光を失った人々に希望を与えています。しかし、ヒトの細胞を使った治療法の開発には、動物実験での安全性の確認が不可欠です。ところが、ヒトの細胞は他の動物では拒絶されてしまうため、十分な検証が難しいという壁がありました。このジレンマを打ち破るため、ウィスコンシン大学マディソン校とモーグリッジ研究所の研究チームが、ヒトとよく似た網膜構造を持つ「ブタ」に注目。世界で初めて、ブタの幹細胞から実験室で「ミニ網膜(網膜オルガノイド: retinal organoids)」を作り出すことに成功しました。この「ブタ版ミニ網膜」は、ヒトの視細胞治療研究を大きく前進させ、将来的には失明治療の新たな道を切り開くかもしれません。 2025年3月6日に「Stem Cell Reports」誌で発表されたこの画期的な研究について、詳しく見ていきましょう。論文タイトルは「Robust Generation of Photoreceptor-Dominant Retinal Organoids from Porcine Induced Pluripotent Stem Cells(ブタ人工多能性幹細胞からの視細胞優位な網膜オルガノイドの頑健な作製)」です。研究を率いたウィスコンシン大学マディソン校マクファーソン眼研究所所長であり、眼科・視覚科学の教授でもあるデイビッド・ガム 医学博士(David Gamm, MD PhD)は、ブタのモデルがヒト治療薬開発の鍵となると期待を寄せています。 「ブタの網膜オルガノイドが作製されたのはこれが初めてです」と、ガム研究室の大学院生であり、本研究の筆頭著者であるキム・エドワーズ氏(Kim E
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