ストレスに強い心は脳の「門番」次第?CB1受容体が不安・抑うつを防ぐ新メカニズム

サイエンス出版部 発行書籍
ストレス社会と言われる現代。同じ困難に直面しても、心が折れてしまう人と、しなやかに乗り越える人がいます。この「心の強さ(レジリエンス)」の違いは、一体どこから来るのでしょうか?カナダの研究チームが、その謎を解く鍵の一つを脳の中で見つけました。それは、脳を外部の有害物質から守る「血液脳関門」に存在する「カンナビノイド受容体1型(CB1: cannabinoid receptor type 1)」というタンパク質。なんと、このCB1受容体が、ストレスによる心の不調を防ぐ「門番」のような役割を果たしている可能性があるというのです。2025年2月27日に「Nature Neuroscience」誌で発表されたこの研究は、ストレスによる不安や抑うつ症状の新たな予防・治療法開発につながるかもしれません。 論文タイトルは「Astrocytic Cannabinoid Receptor 1 Promotes Resilience by Dampening Stress-Induced Blood–Brain Barrier Alterations(アストロサイトのカンナビノイド受容体1はストレス誘発性の血液脳関門変化を抑制することでレジリエンスを促進する)」です。研究リーダーであるラヴァル大学のキャロライン・メナール教授(Caroline Ménard)によると、慢性的なストレスはこの血液脳関門の機能を弱らせ、炎症を引き起こす物質の侵入を許し、結果として心の不調につながるといいます。 CB1受容体はニューロンに豊富に存在しますが、脳の血管とニューロン間のコミュニケーションを可能にする星形の細胞であるアストロサイトにも見られます。「アストロサイトは関門の不可欠な構成要素です」とメナール教授は説明します。「ストレスに強いマウスは、抑うつ様行動を示すマウスやストレスにさらされていないマウ
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