痛みの性差を解明?女性ホルモンと免疫細胞の意外な連携が鍵だった

サイエンス出版部 発行書籍
なぜか女性の方がよく効く痛み止めがある。なぜ閉経後に慢性痛が増える女性がいるのか――。これらの長年の疑問に光を当てるかもしれない、画期的な発見がありました。答えの鍵を握っていたのは、私たちの体にもともと備わっている「免疫細胞」と「女性ホルモン」の、これまで誰も知らなかった意外な連携プレーだったのです。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームが、痛みを感じる仕組みの常識を覆すかもしれない、新しいメカニズムを解き明かしました。科学者たちは、免疫細胞を介して作用する新しいメカニズムを発見し、慢性痛を治療するための異なる方法を示唆しました。UCSFの研究者たちによる新しい研究で、女性ホルモンが脊髄の近くにある免疫細胞にオピオイド(体内で作られる鎮痛物質)を産生させることで、痛みを抑制できることが明らかになりました。 これにより、痛み信号が脳に到達する前に阻止されます。この発見は、慢性痛に対する新しい治療法の開発に役立つ可能性があります。また、一部の鎮痛剤が男性よりも女性によく効く理由や、閉経後の女性がより多くの痛みを経験する理由を説明できるかもしれません。この研究は、炎症を軽減する能力で知られる制御性T細胞の全く新しい役割を明らかにしました。 「これらの細胞に、エストロゲンとプロゲステロンによって引き起こされる性別に依存した影響があり、それが免疫機能とは全く関係がないという事実は、非常に珍しいです」と、博士研究員のエロラ・ミダヴェーヌ博士(Elora Midavaine, PhD)は述べています。彼女は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)から一部資金提供を受けたこの研究の筆頭著者です。この研究は2025年4月3日に科学誌「Science」に掲載されました。論文のタイトルは、「髄膜の制御性T細胞はメスマウスの侵害受容を抑制する(Meningeal Regul
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