ナチュラルキラー細胞が肺がん感受性の多様性のカギとなるようだ
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サイエンス出版部 発行書籍
ヘビースモーカーが肺がんに罹らない一方で、何故一度も煙草を吸わない人間が肺がんに罹るのだろうか?これは何十年も研究者たちを悩ませてきた課題だが、この度、セントルイスのワシントン大学医学部の研究で明らかになったのは、肺がんの感受性を決定する重要な免疫細胞があるという事だ。マウス実験により、腫瘍細胞を探し出して駆逐するナチュラルキラー細胞が、遺伝子の多様性を有しており、マウスに肺がんを発生させるか否かのカギとなっている事が実証された。この研究結果はCancer Research誌の2012年9月1日号に掲載された。 「一般論としては、人間は遺伝的には極めて同一性が高いのですが、その免疫システムには大きな多様性があります。「生来の免疫応答の違いが風邪だけではなく、がんにも感受性の違いを与えるという証拠がどんどん出てきていますが、私たちの発見はそれに拍車をかけるものです。」とBarnes-Jewish病院のサイトマンがんセンターとワシントン大学医学部で胸部外科の医師で、本研究の上級著者であるアレクサンダー・クルプニック博士は語る。 マウス実験の結果を踏まえて、クルプニック博士と研究チームは、人間もナチュラルキラー細胞に同様の遺伝子多様性があるかどうかを研究している。新しい臨床研究として、ヘビースモーカーで肺がんを発症しているケースとしていないケースと、ノンスモーカーで肺がんを発症しているケースとしていないケースとの違いを比較するために、血液分析を行なっている。「私たちが知りたいのは、ヘビースモーカーで肺がんを発症しないのは、ナチュラルキラー細胞の活性が高く、新たに生成されるがん細胞を破壊するのに優れているのかどうかなのです。そして、ノンスモーカーなのに肺がんを発症するのはナチュラルキラー細胞の活性が低いからなのかを比較検討しようと考えています。」と外科部の准教クルプニック
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