アリの行動がアートに!科学と芸術の融合が生み出す驚きの視覚世界

アリの行動がアートに!科学と芸術の融合が生み出す驚きの視覚世界

サイエンス出版部 発行書籍

ギャラリーに足を踏み入れると、壁に広がる複雑なパターン。それはまるで科学シンポジウムで目にするような精密なイメージかもしれません。しかし、これは実はある芸術家の作品なのです。ドイツ出身のマルチメディアアーティスト、マクシミリアン・プルファー氏(Maximilian Pruefer)が織りなす、動物たちの見えない世界の物語へとご案内しましょう。38歳のプルファー氏は、長年にわたり動物たちの目に見えない動きを捉え、その不可視の世界を可視化してきました。革新的な技法を駆使し、動物たちの一瞬の相互作用、最近では特にアリの行動の痕跡を記録し、それらを印象的な視覚的構成作品へと昇華させています。 自然界に隠された物語を解き明かしたいという探求心が、彼をロックフェラー大学へと導きました。そこで彼は、アーティスト・イン・レジデンスとして社会進化・行動学研究室に6週間滞在しました。この研究室を率いるのは、スタンレー S. & シドニー R. シューマン准教授であるダニエル・クロナウアー博士(Daniel Kronauer, PhD)です。クロナウアー博士は、アリをモデルとして、遺伝子や神経回路からコロニー全体の相互作用に至るまで、複雑な昆虫社会の進化と社会行動の制御メカニズムを研究しています。共通の友人を介して出会った二人ですが、クロナウアー博士はすぐにプルファー氏の作品との共通点を見出しました。 「プルファー氏の作品を初めて見たとき、私たちの研究室で行っている行動追跡のデータと驚くほど似ていることに衝撃を受けました」とクロナウアー博士は語ります。「私たちは異なる問いを立てていますが、集団行動がどのようにパターンを生み出すかという点では、二人とも関心を持っています。」 アリ社会の解読 クロナウアー博士の研究室は、クローンレイダーアントという種のアリを専門としてい

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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