全ゲノムシーケンシングが解き明かす神経発達障害「ReNU症候群」の新事実
お子さんの発達に気がかりな点があっても、検査を重ねても原因が分からない。そんな「診断がつかない」期間は、ご家族にとって長く辛い道のりです。しかし今、最先端の遺伝子解析技術が、これまで見つけられなかった原因を突き止め、長く続いた診断の旅に終わりをもたらす新たな光となっています。最新の発見は、ある神経発達障害の謎を解き明かす、重要な一歩となりました。 2025年7月25日、ベイラー・ジェネティクス社は、全ゲノムシーケンシングを用いて小児患者からRNU4-2遺伝子の病的バリアントを発見し、診断に至った事例についての調査結果を発表しました。ReNU症候群は、RNU4-2遺伝子の病的バリアントによって引き起こされる、2024年に新たに報告された神経発達障害です。この疾患に関連する症状には、全般的な発達遅延、知的障害、筋緊張低下、けいれん、脳の異常などがあります。ベイラー・ジェネティクス社は、第1回ReNU Hope科学シンポジウムにおいて、「Utility of Whole Genome Sequencing to Detect RNU4-2 Variants Associated with ReNU Syndrome(ReNU症候群に関連するRNU4-2バリアントを検出するための全ゲノムシーケンシングの有用性)」と題した科学ポスターを発表し、この神経発達障害に関する最新の臨床的知見に光を当てました。このポスターは、ベイラー・ジェネティクス社のメディカルアフェアーズ部門シニアマネージャーであり、認定遺伝カウンセラーのロバート・リゴベロ氏(Robert Rigobello, MS)によって発表されました。 最近の文献によれば、ReNU症候群はすべての神経発達障害の推定0.4%を占めるとされています。 このポスターでは、ベイラー・ジェネティクス社が主導し、WGSを用いて小児患
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill






