エクソソーム分離技術が切り拓く未来の疾患診断
サイエンス出版部 発行書籍
エクソソームを用いた新たな疾患診断技術の可能性とは? デューク大学の機械工学・材料科学のウィリアム・ベバン名誉教授、トニー・ジュン・ファン(Tony Jun Huang, PhD)と、生物医学工学のR・ユージン・スージー・E・グッドソン名誉教授、トゥアン・ヴォー・ディン(Tuan Vo-Dinh, PhD)が共同で行った研究が、2024年3月8日にScience Advancesに掲載されました。このオープンアクセス論文は「音響分離とエクソソーム濃縮による核酸検出(Acoustic Separation and Concentration of Exosomes for Nucleotide Detection: ASCENDx)」というタイトルで、エクソソームを用いた新技術について詳述しています。 エクソソームは、細胞から放出される微小な生物学的粒子で、リボ核酸(RNA)などの遺伝物質を含んでいます。機械工学・材料科学科の4年生大学院生、タイ・ナクイン(Ty Naquin)は、「エクソソームはその発生源である細胞を非常に示唆しています。これを分離できれば、タンパク質やRNAの内容を調べることで、多くの病気を診断できます」と説明します。 ナクインは、エクソソームが非常に小さいため、血液や血漿のような有機物から分離するのが難しいと述べています。しかし、ホアンの研究室は2017年に音響流体力学(acoustofluidics)を用いて血液からエクソソームを成功裏に分離しました。音響流体力学とは、音波を通過させることで流体中の生物学的粒子を分離するプロセスです。 現在の「ゴールドスタンダード」とされるエクソソーム分離法は超遠心機を使用しますが、この方法は時間がかかり、大量のサンプルが必要であり、エクソソームにダメージを与えることが多く、純度や収率が低いことが問題です。
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