高性能顕微鏡不要!MITの新技術で細胞内部のナノ構造を観察可能に
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高価な超解像顕微鏡がなくても、細胞内のナノ構造を観察できる新しい拡張技術がMITの研究者によって開発されました。この技術では、組織を膨張させてイメージングを行うことで、一般的な光学顕微鏡でもナノスケールの解像度を実現します。最新バージョンでは、組織を単一ステップで20倍に拡大できるようになりました。この手法は簡便かつ低コストであり、多くの生物学研究室でナノスケールイメージングが可能になると期待されています。 「この技術は、イメージングを民主化します。これまでは高解像度の観察には非常に高価な顕微鏡が必要でしたが、この新技術により通常の顕微鏡でも見えなかったものが見えるようになります」と、MITのローラ・キースリング博士(Laura Kiessling, PhD)は述べています。 研究の概要 この技術では、20ナノメートルという高解像度が可能となり、細胞内部のオルガネラやタンパク質のクラスターを観察することができます。MITのボイデン博士(Edward Boyden PhD)は「生物学的分子が活動する領域に近づいており、生命の構成要素であるバイオ分子や遺伝子、遺伝子産物を詳細に見ることが可能です」と述べています。 この研究は、2024年10月11日にNature Methodsに発表され、論文のタイトルは「「Single-Shot 20-Fold Expansion Microscopy」(単一ステップで20倍拡大を可能にする拡張顕微鏡法)」です。 技術の詳細 拡張顕微鏡法は、組織を吸水性ポリマーに埋め込み、組織を保持するタンパク質を分解することで膨張させます。2015年にボイデン博士の研究室が最初にこの技術を開発し、当初は約4倍の拡大で70ナノメートルの解像度を実現しました。その後、2017年には2回の拡張ステップを加えることで20倍の拡大が可能になりましたが
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