家族と科学が挑む超希少疾患の解明:CHASERR遺伝子の新発見
サイエンス出版部 発行書籍
極めて稀な疾患に立ち向かう家族と科学者たちの物語:新たな遺伝性疾患の発見 8歳のエマ・ブロードベント(Emma Broadbent)さんは、重度の脳発達遅延を引き起こす極めて稀な疾患と闘っています。エマさんはこれまでに数百日を病院で過ごし、発達状態は3~5か月齢の乳児にとどまっています。それでも、父ブライアン・ブロードベントさん(Brian Broadbent)は「エマが調子の良いときは、周囲に幸せを分け与えるような存在です」と語り、家族はこの難病に向き合い続けています。 新たな遺伝性疾患の発見 2024年10月23日、マサチューセッツ工科大学・ハーバード大学ブロード研究所、ノースウェスタン大学、ナント大学、ワイツマン科学研究所、ベイラー医科大学からなる国際的な研究チームは、エマさんの病気の原因となる遺伝的変化を特定したことを発表しました。この成果は権威ある医学誌「New England Journal of Medicine」に掲載された論文「Neurodevelopmental Disorder Caused by Deletion of CHASERR, a lncRNA Gene(CHASERRというlncRNA遺伝子の欠失による神経発達障害)」として発表されています。 この研究では、CHASERRと呼ばれる「長鎖非コードRNA(lncRNA)」遺伝子の片方のコピーが欠失することで、隣接するCHD2遺伝子のタンパク質が過剰に生成される仕組みを解明しました。CHD2遺伝子は、これまで不足することで脳発達障害を引き起こすことが知られていましたが、今回の発見により、過剰なCHD2もまた疾患を引き起こすことが判明しました。CHASERR欠損による人間の疾患が確認されたのはこれが初めてであり、非コード領域の重要性を改めて示しています。 家族の尽力と科学者たちの協
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