生命の起源の謎に迫る!RNAの自己複製、原始地球の環境でついに成功

私たちはどこから来たのか?生命はどのようにして始まったのか?これは人類が長年問い続けてきた根源的な謎です。科学者たちは、最初の生命は「リボ核酸」という分子から始まったと考えていますが、そのRNAがどのようにして自らを複製し、生命のバトンをつないでいったのかは大きな謎でした。今回、ロンドンの研究チームが、原始の地球で起こり得たシンプルな方法で、この謎を解き明かす画期的な実験に成功しました。生命誕生の瞬間に、一歩迫る研究成果です。 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)とMRC分子生物学研究所の化学者たちは、初期の地球でRNAがどのように自己複製したか、その方法を実証しました。科学者たちは、最初の生命体では、後にDNAやタンパク質が登場してその役割を引き継ぐ前に、遺伝物質はRNA鎖によって運ばれ、複製されていたと考えています。しかし、生命の誕生時に起こり得たであろうシンプルな方法でRNA鎖を実験室で複製させることは、これまで非常に困難でした。 RNA鎖は二重らせん構造に「ジッパーが閉まる」ように結合し、これが複製の邪魔をします。まるでマジックテープのように、引き剥がすのが難しく、すぐにまたくっついてしまうため、鎖をコピーする時間がありませんでした。 2025年5月28日に『Nature Chemistry』誌で発表された研究で、研究者たちはこの問題を克服しました。彼らは、3文字の「トリプレット」RNA構成ブロックを水中で使用し、酸と熱を加えることで二重らせんを引き剥がしました。その後、溶液を中和して凍結させました。すると、氷の結晶の間にできた液体の隙間で、トリプレットの構成ブロックがRNA鎖をコーティングし、再びジッパーが閉まるのを防ぐことで、複製が可能になることを発見したのです。このオープンアクセス論文のタイトルは「Trinucleotide Substr
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill